ワープする少女〜長女との二人旅Ⅲ
♪チャラチャラチャッチャチャーン!(ドラゴンクエスト宿屋の朝の目覚めのテーマで)
清水駅前、ホテルクエストで目覚めた長女と私。
あれ、外は雨が降っている…
8時15分頃出発。傘が必要な雨。
クエストのある大通りよりも、1本北側の道が旧東海道。
傘をさして歩き始め、そういえば、朝は駅前のマックと言っていたのに、二人でちゃっちゃか歩き始めてしまい、店はまだどこも開いていなくて、朝御飯にありつけないかも、という恐れが…
稚児橋の四隅には河童がいました。
清水銀座を通り(まだほとんどの店が閉まっていました)、追分羊羮の店横の「是より志三づ道」の追分道標を見て、清水次郎長の一家に殺された都田吉兵衛の供養塔を見て…
都田吉兵衛は「都鳥」と渾名されていた男で、次郎長の子分の森の石松を殺した敵として次郎長一家に狙われていました。
道は上り坂。幼稚園バスや、登校途中の中学生を見掛けました。
東海道本線と静岡鉄道が隣同士に並行している踏切を渡ると、平川地。そう言えば、平川地一丁目って、この辺の出身だったよね。あのデュオのユニット名は「ひらかわち」だけど、ここは「ひらかわじ」と読みます。
平川地のセブンイレブンでパンやサンドイッチを買って朝食。
歩き始めの頃は雨だったのに、晴れてきたので帽子を被りました。
頭のてっぺんだけ少し雲がかかっているけれど、ほぼ姿を現した富士山を見付けて、これからもっと晴れてきたら、もっときれいに見えるだろう、とこの時は写真を撮らなかったのですが、この後どんどん雲が増えてきて、また富士山は姿を消してしまいました。
時々姿を見掛ける静岡鉄道は、午後の紅茶電車など、カラフルなボディが多いみたいです。
道は静岡鉄道の近くを通ります。
昔あった狐が崎ヤングランドは、今はないそうです。
長女が「草薙って地名があるんだね」と言うので、ヤマトタケルの東征の時、伊勢斎宮の叔母が天の叢雲の剣(スサノオがヤマタノオロチ退治した時、尾から出てきた剣)を持たせてくれて、この辺りで敵の火攻めを受けた時、天の叢雲の剣で草をなぎはらって難を逃れたことから、その剣を草薙の剣と言うようになった話をしました。
草薙神社の大鳥居は見ましたが、草薙神社までは1kmと聞き、今回は諦めました。
草薙駅前からは、交通量の多い道から一本南側に外れた静かな道を行きました。
造園業者の多い通りでした。この前平塚で見た風船唐綿をまた見ました。
むこうから黒い集団がGメン歩きをしてくるので、怖い集団かと思ったら、黒い袈裟を着たお坊さんたちでした。それも、托鉢かと思ったら、寺の駐車場に停めてある車に分乗して消えて行きました。
運動場前で右へ行く辺りで戸惑っていたら、軽トラのおじさんが「東海道はこっちだよ」と教えてくれました。
しかし、その後がまた分かりづらくて…東海道線の線路脇の東海道の碑の右横のトンネルを潜って、東海道線を横切るのですが…狭いトンネルなのに、車や自転車が警笛やベルを鳴らしながら通るので、怖いし、トンネルを抜けてからどう進んでいいのか分からず、ガイドブックに「道なりに進む」というのを取り違えて、すごい遠回りしてしまいました。トンネルを抜けたら、左の方に(最初は線路際を進むように)行くべきだったのを、右に行ったため、遠回りになりました。
国道1号に合流し、長沼交差点で右斜めの静かな道に入り、長沼の辺りを通るとき、近くの小さな山の上の鉄塔に東海大学と書いてあるのが見えました。
道は一旦国道にぶつかり、その辺りの道が残っていないそうで、柚木駅から南に下ってトンネルをくぐってすぐに右折のはずが…
トンネル出口辺りで工事をしていて右に行けず、かなり南側の道まで行ってしまいました。曲金という地名でしたが…
遠回りしたおかげでファミレスがあったので、そこで昼食をとりました。
そこの店は、10月30日22時をもって閉店します、という紙が貼ってありました。
斜めに北西に上がっていく道を行って、東海道線をくぐり、春日駅のあたりで少しだけ国道を歩き、すぐに右斜めに入ったところが横田町。実はその通りは来たことがあります。
今回、長女が静岡に行きたい、と言い出したのは、長女が生まれたのは静岡だったからで…。
当時、転勤で2年間、静岡に住んでいました。
横田町のあの金物屋さんは、長男の幼稚園の同じクラスの子のお父さんの店。
旧東海道はそのまままっすぐ進むのですが、私たちは以前住んでいた場所を訪ねるために、寄り道をしました。
音羽町駅の踏切を渡って少し進むと、右側に大きな公園があります。清水山公園というのですが、当時よりかなりきれいにグレイドアップしていました。
そして、当時私たちが住んでいた喜〇〇寿ハイツは健在でした。焦げ茶の建物で、上から2番目の階に住んでいました。
長男が通っていた幼稚園の方へ行ってみましたが、幼稚園は移転して、もう同じ場所にはありませんでした。
日吉町から旧東海道に戻り、その先左折するところを敢えて真っ直ぐ進み、駿府公園に向かいました。
駿府公園は小さかった長男を連れてよく遊びに来た所ですが、すっかり様子が変わってしまっていました。当時は石垣しかなかったところに、一部復元された城の建物(東門あたり)が建っていました。
ところで、私はこの旅の間、見付けると喜んでこだわっていた花がありました。秋明菊(貴船菊)です。亡くなった祖父母にまつわる思い出の花なのです。
長女が好きな花は、ひまわりと彼岸花なんだそうで、駿府公園で彼岸花を見付けて激写していました。
駿府公園を出て、旧東海道に戻るために、目印の伊勢丹を探したら、すぐ見つかりました。伊勢丹脇に札の辻跡があり、そこから続く商店街が七間町という道幅の広い、昔ながらの商店街、旧府中宿の中心部です。
映画館などを通り越し、サッカー洋品店を右折。少し進んで写真屋を左折。新通りという道で、真っ直ぐ行けば安倍川に出ます。
昨日は長女は足裏のマメが痛かったのですが、今日は足裏は保護シートを貼ったおかげで大丈夫で、代わりに足全体が突っ張って動かしにくく、特に腿が痛いそうで、歩くより走る方が楽だとかで、時々アラレちゃんみたいに走り出します。
私が目印を探していたり、面白いものや気になるものを見ていたりして、ハッと気付くと長女は何メートルかワープしている。それも何度も。
♪空間を越える少女〜(「時をかける少女〜」の節で。by原田知世)
長女がかなり引き離しても、私がすぐに追い付くので、長女は悔しがってました。
安倍川の手前であべかわ餅で一休みしたい!と、有名な石部屋に入ったら、店のおじさんが、「悪いね。もう終わっちゃった」…そう言えば、売り切れ次第店仕舞いとガイドブックに書いてあったっけ。
結局3軒目の橋本屋で食べました。
出来るのを待つ間、サービスにとくれたでっかいオハギをいただきました。こんな大きなオハギを食べることになるんだったら、あべかわ餅、一人分だけ注文して分け合ってもよかったなあ。一人分が、きな粉4個、あんこ4個なんで。かなりおなかいっぱいになりました。
昨日、大きなリュックを背負った男の子が、日本橋から京都まで一気に行く、と、この店に立ち寄ったそうです。
うちの長男も去年3月に一気に日本橋から京都まで歩いたけれども、長男もここであべかわ餅、食べたかなあ。
店の隣には、安倍川義夫の碑がありました。川越で旅人が落とした財布を拾った人足が、岡部まで追いかけて財布を渡し、お礼金をどうしても受け取らなかったので、人足組合にお礼金を送っても受け取らず、とうとうお礼金は役所が受け取って、役所から善行として褒美金を出した、という話が書いてありました。
安倍川橋を渡る時、学校帰りの中高生の自転車が、川向こうからこちら側へ、こっち岸から向こう岸へ、交差して走っていました。
安倍川は静岡に住んでいた頃、花火を見に来たことがあります。学生時代の友達のご主人のご実家が安倍川の近くで、花火の日に小さかった長男と私と、招待していただきました。安倍川の花火は規模が大きく、きれいで感動し、ご馳走もたくさんいただきましたが、風邪気味だった長男が吐いてしまい、大騒ぎで申し訳ないことをしてしまいましたが…とにかく素晴らしい花火でした。
安倍川を渡りきると、間の宿の手越宿。平家物語に出てくる白拍子、千手の前のゆかりの地だそうです。
少し行くと、大きな街道松が数本見られます。
やがて国道1号線と合流。
また暫く行くと、沢渡交差点で左に別れます。
最初は歩道も広い立派な道でしたが、だんだん狭くなり、歩道もなくなり…
「丸子宿 〇〇や」と屋号の板書きをつるした家が何軒か見られました。
本陣跡、七間役所跡を過ぎると、今日の最終目的地、丁子屋の駐車場が見えてきました。
17時少し前に着いたおかげで、その時点では私たち以外に客がいなかったので、大広間の鴨居の上にズラリと並べられた額、安藤広重の東海道五十三次の版画の、私が行った所だけ写真を撮りました。日本橋、品川、川崎、神奈川、保土ヶ谷、戸塚、藤沢、平塚、大磯、小田原、箱根、三島、沼津(ワープ)江尻、府中、丸子
とろろ汁はたっぷり。ご飯もたっぷり。あべかわ餅が効いていると思っていたのに、ペロリとたいらげてしまいました。
資料室では、十返舎一九にも会えました。
外に出るともう真っ暗。バス停を探してうろうろしているとき、地元のおじさんに丁寧に教えてもらい、バス停ではバスの支払いシステムについて、並んでいたおばさんに教えてもらいました。
静岡駅で切符を買うのに並んでいるとき、前の女性が「後日の切符だから」と順番を譲ってくれました。
昼間はお巡りさんと中学生男子に「こんにちは」と声をかけられました。ふれあいもあった三日間の旅でした。
普通電車を乗り継いで、我が家へと帰りました。
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